
「子育てや家事と両立しながら、正社員として安定して働きたい」



「通勤時間をなくして、もっと効率的に時間を使いたい」



「ブランクがあるけど、在宅ワークで正社員に復帰できるかな?」
そんな希望や悩みを抱える主婦(主夫)の方にとって、「在宅ワーク」かつ「正社員」という働き方は非常に魅力的に映るでしょう。
結論から言うと、主婦の方が在宅ワークで正社員として活躍することは十分に可能です。近年、働き方の多様化が進み、企業側も柔軟な勤務形態を導入する動きが加速しています。
しかし、実現のためにはいくつかのポイントと準備が必要です。
この記事では、在宅ワークで正社員を目指す主婦の方に向けて、現状と可能性、おすすめの仕事内容、メリット・デメリット、具体的な仕事の探し方、そして家庭との両立のコツまで、詳しく解説していきます。
主婦でも在宅ワーク正社員は目指せる?現状と可能性
「主婦には正社員、しかも在宅なんて難しいのでは?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、状況は変化しています。
在宅ワーク導入企業の増加
- 働き方のスタンダードへ
新型コロナウイルスの影響等を経て、多くの企業でテレワーク・在宅ワークが導入され、働き方の一つとして定着しつつあります。 - 多様な人材確保の動き
企業側も、優秀な人材を確保するために、勤務場所や時間に柔軟性を持たせる動きが活発化しています。
これにより、これまで通勤がネックだった層(子育て中の主婦など)にも門戸が広がりつつあります。
正社員求人の動向
- リモート正社員求人の存在
実際に、求人サイトや転職エージェントでは「在宅勤務可」「フルリモート」を条件とする正社員求人が多数見られます。 - 競争率
ただし、条件の良い在宅正社員求人は人気が高く、競争率が高い傾向にあることも事実です。
しっかりとした準備と戦略が必要になります。
「主婦」であることが不利になるとは限らない
- スキル・経験重視
採用において企業が重視するのは、応募者のスキル・経験・そして仕事への意欲です。
「主婦であること」自体が直接的な不採用理由になることは基本的にはありません。 - ブランクへの考え方
離職期間(ブランク)がある場合でも、その期間に何をしていたか(資格取得、ボランティア、子育てから得たスキルなど)を前向きに説明できれば、マイナスイメージを払拭できます。
むしろ、多様な経験が強みになることもあります。 - コミュニケーション能力・調整力
家庭を切り盛りしてきた経験は、マルチタスク能力・コミュニケーション能力・調整力といったビジネススキルとして評価される可能性があります。
主婦・ママにおすすめの在宅正社員の仕事内容例
在宅ワークで正社員として働きやすい職種には、以下のようなものがあります。ご自身の経験やスキル、興味に合わせて検討してみましょう。
事務系職種
- 一般事務・アシスタント
- 業務内容
書類作成、データ入力、電話・メール対応、スケジュール調整など、部署やチームのサポート業務全般。 - ポイント
幅広い業界でニーズがあり、基本的なPCスキル(Word, Excel)があれば始めやすい求人もあります。
- 業務内容
- 経理事務・人事労務
- 業務内容
請求書発行、経費精算、給与計算、社会保険手続き、採用補助など、専門知識を活かせる分野。 - ポイント
経験者や有資格者(簿記など)は有利ですが、未経験可の補助業務からスタートできる場合もあります。
- 業務内容
- 営業事務
- 業務内容
受発注管理、見積書・請求書作成、顧客データ管理、営業担当者のサポートなど。 - ポイント
コミュニケーション能力や調整力が求められます。
- 業務内容
- オンラインアシスタント
- 業務内容
企業の様々なバックオフィス業務をリモートで幅広くサポートします。
- 業務内容
カスタマーサポート・インサイドセールス
- カスタマーサポート
- 業務内容
顧客からの問い合わせにメール、チャット、電話などで対応します。製品やサービスに関する質問応対、トラブルシューティングなど。 - ポイント
未経験者向けの研修が充実している企業も多く、シフト制で時間を調整しやすい場合があります。
- 業務内容
- インサイドセールス
- 業務内容
電話やメール、Web会議システムなどを活用し、非対面で見込み顧客へのアプローチや関係構築、商談を行います。 - ポイント
外勤営業の経験が活かせたり、未経験から挑戦できたりする場合もあります。
- 業務内容
IT・Web系専門職
- Webデザイナー・コーダー
- 業務内容
Webサイトのデザイン、コーディング(HTML, CSSなど)
- 業務内容
- Webライター・編集者
- 業務内容
Webメディアの記事作成、編集、校正
- 業務内容
- Webマーケター
- 業務内容
- SEO、広告運用、SNS運用、データ分析など
- ITヘルプデスク・テクニカルサポート
- 業務内容
社内や顧客からのIT関連の問い合わせ対応
- 業務内容
その他専門職
- 翻訳
語学力を活かして文書や映像などを翻訳 - オンライン講師
語学、プログラミング、趣味など、得意分野をオンラインで教える - キャリアアドバイザー
オンラインでのキャリア相談、転職支援
未経験・ブランクOKの求人も探せる
- ポテンシャル採用
特にカスタマーサポートや一部の事務職などでは、人柄やコミュニケーション能力を重視し、未経験者やブランクのある主婦を積極的に採用する企業もあります。 - 研修制度の確認
未経験可の求人を探す際は、入社後の研修制度が充実しているかどうかもしっかり確認しましょう。
主婦が在宅正社員で働くメリット
在宅ワークで正社員として働くことには、多くのメリットがあります。
安定した収入と福利厚生
- 毎月の固定給
パートやフリーランスと違い、毎月安定した給与が得られます。ボーナスが支給される企業もあります。 - 社会保険完備
健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険に加入でき、将来への備えや万が一の際の保障が手厚くなります。 - 充実した福利厚生
有給休暇、育児・介護休業制度はもちろん、企業によっては住宅手当、退職金制度、その他独自の福利厚生が利用できる場合があります。
通勤時間ゼロで時間を有効活用
- 可処分時間の増加
往復の通勤時間がなくなることで、その時間を家事・育児・自己学習・趣味・休息など、自由に使える時間が増えます。 - 朝夕の負担軽減
満員電車での通勤ストレス、慌ただしい朝の準備や疲れて帰宅してからの家事といった負担が大幅に軽減されます。
育児・介護など家庭との両立しやすさ
- 物理的な近さ
子どもの急な発熱や学校からの呼び出し、家族のケアが必要な場面でも、自宅にいれば対応しやすいという安心感があります。(ただし、勤務時間中は仕事に集中する必要があります) - 柔軟な働き方の可能性
企業によっては、フレックスタイム制度や中抜け制度などを利用し、より柔軟に働くことができる場合もあります。
キャリア形成・スキルアップの機会
- 責任ある仕事
正社員として、より責任のある業務を任される機会が増え、スキルアップやキャリア形成につながります。 - 教育・研修制度
企業が提供する研修プログラムや資格取得支援制度などを利用できる場合があります。 - 昇進・昇格の可能性
実績や能力に応じて、昇進や昇格のチャンスがあります。
場所を選ばない働き方(フルリモートの場合)
- 転居への対応
配偶者の転勤などで引っ越しが必要になった場合でも、フルリモートであれば仕事を続けられる可能性があります。(※会社の規定によります) - 地方在住でもチャンス
都市部に本社がある企業の正社員として、地方にいながら働くことも可能です。
主婦が在宅正社員で働くデメリット・注意点
メリットが多い一方で、在宅正社員ならではの難しさや注意点も理解しておく必要があります。
仕事と家庭の境界線が曖昧になりやすい
- オンオフの切り替え
生活空間と仕事場が同じため、仕事モードとプライベートモードの切り替えが難しく、だらだらと長時間働いてしまったり、逆に仕事中に家事が気になって集中できなかったりすることがあります。 - 家族との距離
在宅だと「家にいる=いつでも頼める」と家族に思われ、仕事中に話しかけられたり家事や育児を頼まれたりして集中が途切れる可能性があります。
フルタイム勤務の負担・責任
- 拘束時間
正社員は基本的に1日8時間程度の勤務が求められます。
パートタイムに比べて自由になる時間は少なく、家事や育児との両立には工夫と体力が必要です。
- 業務遂行責任
正社員として、与えられた業務を責任持って完遂し、成果を出すことが求められます。
運動不足・孤独感
- 身体面
通勤がなくなることで歩く機会が減り、意識しないと運動不足になりがちです。
肩こりや腰痛にも注意が必要です。 - 精神面
同僚との直接的なコミュニケーションが減るため、孤独を感じたり、チームの一員としての意識が薄れたりすることがあります。
雑談の中から生まれる情報共有なども少なくなりがちです。
育児・家事との両立の難しさ(時間管理)
- 限られた時間
フルタイムで働きながら、未就学児の育児や学童後の小学生のケアや送迎など、日々の家事をこなすのは容易ではありません。効率的なタイムマネジメントと、家族の協力が不可欠です。 - 突発事項への対応
子どもの病気などで急に仕事ができなくなった場合の、業務の引き継ぎや代替策をあらかじめ考えておく必要があります。
キャリアブランクがある場合のハードル
- スキルの陳腐化
長いブランクがある場合、PCスキルや業界知識が古くなっている可能性があります。
学び直しが必要になることも。 - 自信の喪失
「自分にできるだろうか」という不安から、一歩踏み出せない方もいるかもしれません。 - 面接での説明
ブランク期間について、面接でどのように説明するかが重要になります。
会社の文化・評価への不安
- リモートでの評価
仕事ぶりが見えにくい在宅ワークで、どのように成果が評価されるのか、正当に評価してもらえるのか不安を感じる場合があります。 - 社内コミュニケーション
リモート中心の環境で、どのようにチームに溶け込み、円滑な人間関係を築いていけるかが鍵となります。
在宅正社員の仕事の探し方 主婦・ブランクありでも成功するには
希望の在宅正社員の仕事を見つけるための具体的なステップと戦略です。
Step 1 自身のスキル・経験の棚卸しと強みの明確化
- キャリアの振り返り
これまでの職務経歴を詳細に書き出し、どのような業務でどのようなスキル(専門スキル、PCスキル、語学力など)を培ってきたかを整理します。 - ブランク期間の経験も強みに
専業主婦期間中の経験(PTA活動・地域活動・資格取得・子育てから得たマネジメント能力やコミュニケーション能力など)も、アピールできる要素がないか考えましょう。 - 自己分析
自分の得意なこと、好きなことや価値観などを明確にし、どのような仕事や働き方が自分に合っているかを見極めます。
Step 2 必要なスキルの習得・学び直し
- PC基本スキル
Word, Excel, PowerPointの基本操作は必須と考えましょう。
ブランクがある場合は、最新バージョンの操作を確認しておくと安心です。 - コミュニケーションツール
Chatwork, Slack, Zoom, Teamsなど、ビジネスでよく使われるツールの使い方に慣れておきましょう。 - 専門スキルの向上
希望する職種に必要な専門スキルが不足している場合は、オンライン講座や職業訓練などを活用して学び直すことも有効です。
Step 3 転職エージェントの活用
- メリット
- 非公開求人の紹介
一般には公開されていない求人を紹介してもらえる可能性があります。 - キャリア相談
ブランクがある場合やキャリアチェンジの場合など、プロの視点からアドバイスがもらえます。 - 書類添削・面接対策
応募書類の添削や、面接対策など、選考通過率を高めるためのサポートを受けられます。 - 条件交渉
給与や勤務条件など、自分では言い出しにくい交渉を代行してくれる場合があります。
- 非公開求人の紹介
- 選び方
- 総合型エージェント
幅広い業界・職種の求人を扱っています。(例:リクルートエージェント, dodaエージェントサービスなど) - 女性・主婦向けエージェント
女性のキャリアや主婦の再就職に特化したサポートを行っています。(例:Type女性の転職エージェント, LiBzCAREERなど ※サービス内容は要確認) - IT/Web特化型エージェント
IT・Web業界を目指す場合に有効です。 - 複数のエージェントに登録し、相性の良いキャリアアドバイザーを見つけるのがおすすめです。
- 総合型エージェント
Step 4 求人サイトでの検索テクニック
- キーワード
「在宅勤務 正社員」「フルリモート 正社員」「テレワーク 正社員」に加え、「主婦活躍中」「ブランクOK」「未経験OK」などのキーワードを組み合わせて検索します。
希望職種名(例:「事務」「カスタマーサポート」)も入れましょう。 - 条件設定
雇用形態を「正社員」に、勤務形態を「在宅勤務・リモートワーク」に設定して絞り込みます。 - 利用サイト
- 大手転職サイト
リクナビNEXT、doda, マイナビ転職など。求人数が多いです。 - 女性向け転職サイト
Woman type、LiBzCAREERなど。 - リモートワーク専門求人サイト
Remoful、 Reworkerなど、リモート求人に特化したサイトもチェックしましょう。
- 大手転職サイト
Step 5 応募書類・面接対策
- 職務経歴書
- ブランクの説明
ブランク期間中に何をしていたか、そこから何を得たかを具体的に、前向きに記載します。(例:「子育てに専念し、マルチタスク能力や計画性を培いました」「資格取得のため勉強していました」など) - 活かせる経験
応募職種で活かせる過去の経験やスキルを具体的にアピールします。 - 在宅適性
自己管理能力やコミュニケーション能力など、在宅勤務への適性があることを示すエピソードを盛り込みます。
- ブランクの説明
- 面接
- 志望動機
なぜその会社・職種で働きたいのか、なぜ在宅ワークを希望するのかを明確に伝えます。 - ブランクへの回答準備
ブランク期間に関する質問を想定し、自信を持って答えられるように準備しておきます。 - 両立への意欲と工夫
家庭と仕事をどのように両立させていきたいか、具体的な考えや工夫(家族の協力体制、利用予定のサービスなど)を説明できるようにします。 - オンライン面接対策
在宅正社員の選考ではオンライン面接が多いです。
背景、服装、通信環境、目線などに注意し、事前に練習しておきましょう。
- 志望動機
在宅正社員と家庭を両立させるコツ
無事に在宅正社員として働き始めた後、仕事と家庭をうまく両立させるためのヒントです。
家族の理解と協力体制の構築
- 事前相談
働く時間帯、仕事の内容や協力してほしいことなどを事前に家族としっかり話し合い、理解を得ておくことが最も重要です。 - 家事・育児の分担
ワンオペにならないよう、パートナーや他の家族と家事・育児の分担を見直し、協力体制を作りましょう。
仕事時間とプライベート時間のメリハリ
- 仕事スペースの確保
可能であれば、仕事専用のスペースを作り、生活空間と物理的に区切ることで集中しやすくなります。 - 始業・終業のルーティン
仕事を始める前、終えた後に簡単なルーティン(着替える、コーヒーを淹れる、散歩するなど)を取り入れ、意識的にオンオフを切り替えます。 - 時間管理の徹底
勤務時間中は仕事に集中し、時間外は仕事のことを考えないように意識します。
タイムマネジメント・効率化
- タスクの優先順位付け
仕事も家事も、やるべきことをリストアップし優先順位をつけて効率的にこなします。 - ツールの活用
スケジュール管理アプリ、タスク管理ツールなどを活用します。 - 家事の時短・効率化
食材宅配(お惣菜)・作り置き・ロボット掃除機などを活用し、家事の負担を減らす工夫も有効です。
外部サービスの活用
- 頼れるものは頼る
すべてを自分で抱え込まず、必要に応じて外部のサービスを積極的に活用しましょう。
- 育児関連
ベビーシッター、ファミリーサポート、病児保育など。 - 家事関連
家事代行サービス、ネットスーパー、ミールキットなど。
- 育児関連
自分自身のケア・休息
- 休息の確保
忙しい中でも、意識的に休憩時間を取り十分な睡眠を確保することが、長期的にパフォーマンスを維持するために不可欠です。 - 自分の時間
短い時間でも、自分の好きなことやリラックスできる時間を作り、ストレスを溜め込まないようにしましょう。 - 完璧を目指さない
仕事も家庭も完璧にこなそうとせず、「まあ、いっか」と許せる心を持つことも大切です。
まとめ
主婦の方が在宅ワークで正社員として働くことは、もはや特別なことではありません。
しかし、その実現には自身の強みの棚卸し・スキルアップ・戦略的な仕事探し・そして家族の協力が不可欠です。
在宅正社員という働き方は、安定した収入とキャリア、そして家庭との両立を実現できる大きな可能性を秘めています。デメリットや注意点も理解した上で、しっかりと準備を進めれば、道は開けるはずです。
この記事で紹介した情報を参考に、自信を持って一歩を踏み出し、あなたらしいキャリアとライフスタイルを実現してください。